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    韓国のリマインドウェディング(리마인드웨딩)とは

    作成日時
    Apr 6, 2026 7:57 AM
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    タグ
    ファミリー韓国🇰🇷

    リマインドウェディング(리마인드웨딩)とは、すでに結婚している夫婦が結婚記念日・子どもの誕生・還暦などの人生の節目に改めてウェディングドレスや礼装を着て写真を撮り直したり、再び式を挙げたりする韓国の習慣です。「リマインド」には「思い出させる・気づかせる」という意味があり、結婚したときの気持ちを夫婦で再確認することを目的としています。子どもが生まれたら家族3人で、還暦なら成人した子どもたちが両親へのプレゼントとして企画するケースも多く、夫婦2人のイベントにとどまらず、韓国の家族写真文化全体と深く結びついています。

    リマインドウェディングが生まれた背景

    韓国では結婚式そのものが非常に大きな社会的イベントとして位置づけられており、ウェディングフォト(婚前に撮る前撮り写真)は結婚の準備において欠かせない存在です。豪華なスタジオセット・プロのヘアメイク・ドラマティックなレタッチが施されたウェディングフォトは、台湾の婚紗照と並んで東アジアの中でも特に発達した文化として知られています。

    この「結婚という節目を写真で残す」という意識の延長として、結婚後も節目のたびに「また撮りたい」という気持ちが自然に生まれます。それがリマインドウェディングの出発点です。

    もう一つの背景として、韓国の写真館(フォトスタジオ)が日本と比べて安価で気軽に利用できる環境があります。学生が卒業記念や誕生日に友人と訪れたり、軍隊除隊の記念に写真を撮りに行ったりすることが普通の光景であるほど、写真館はライフイベントの身近なインフラとして機能しています。この敷居の低さが、リマインドウェディングという習慣を一部の富裕層だけのものではなく、一般層に広がるものにしています。

    リマインドウェディングが行われるタイミング

    韓国でリマインドウェディングが行われる主なきっかけは以下の通りです。

    タイミング
    内容
    結婚記念日
    毎年ではないが、5年・10年・25年(銀婚式)・50年(金婚式)などの節目に撮影
    子どもの誕生
    夫婦の写真に子どもを加え、家族3人(または家族全員)の写真へと更新
    還暦(회갑/환갑)
    成人した子どもたちが両親へのプレゼントとして企画するケースが多い
    子どもの入学・卒業
    家族の「次の章」を写真で記録する機会として
    親の誕生日・長寿のお祝い
    大家族が集まるタイミングに合わせて家族写真として撮影

    中でも「還暦のリマインドウェディング」は韓国社会の中で特に感情的な意味を持ちます。韓国では還暦(60歳)は単なる誕生日ではなく、干支が一周する大きな節目として家族全員で祝う習慣があります。成人した子どもたちが両親に「もう一度ウェディングドレスを着て写真を撮ってほしい」と頼み、費用を負担してプレゼントするかたちでリマインドウェディングを実現するケースが多く報告されています。

    韓国の家族写真文化:リビングに大きな額縁で飾る習慣

    リマインドウェディングを理解するには、韓国の家族写真がどのように生活に組み込まれているかを知ることが不可欠です。

    韓国のドラマや映画を見ていると、家のリビングの壁に大きな家族写真が額縁に入れて飾られている光景をよく目にします。これはドラマの演出ではなく、実際の韓国家庭でも一般的な習慣です。結婚写真・家族写真・子どもの写真が大きくプリントされてフレームに入り、リビングの目立つ場所に飾られています。

    日本の場合、写真はほとんどが写真立てに入れて棚や机の上に置く小さなサイズが主流です。壁に飾るとしても控えめなサイズが一般的で、訪問者の目に入るような大きさで飾ることは少ないです。

    韓国では写真の「見せる」意識が日本よりずっと強く、大きな額縁はその家族の歩みや誇りを象徴するものとして機能しています。

    写真の中の配置:祖父母が中心に座る構図

    韓国の家族写真にはもう一つ、日本と大きく異なる特徴があります。家族写真の中心に座るのが「祖父母」であるということです。

    日本の写真スタジオでは特別なリクエストがない限り、子どもを中心に配置し、両親がその脇に立ち、祖父母がさらに外側に立つという構図が一般的です。主役は子ども、という発想です。

    韓国では年功序列が重視される儒教的な価値観が家族写真にも反映されており、最年長の祖父母が中央に座り、その周囲に世代を重ねて家族が並ぶ構図が自然です。祖父母を「家の中心」として視覚的に示すこの配置は、家族写真が単なる記念写真ではなく、一族の縦のつながりを表すものとして機能していることを示しています。

    カカオトークのプロフィール写真と家族写真

    デジタル化された現代の韓国においても、家族写真の重要性は変わっていません。韓国で最も広く使われるメッセージアプリ「カカオトーク(KakaoTalk)」のプロフィール写真として、家族写真を設定している人が多いことが報告されています。

    LINEやInstagramのプロフィールにソロ写真や風景写真を使うことが多い日本と異なり、韓国ではカカオトークのプロフィールに家族全員の写真を使うことが珍しくありません。これは「家族のつながりを誇示することへの抵抗感が少ない」という韓国の文化的な感覚の反映でもあります。

    リマインドウェディングで撮影した写真が、翌日にはカカオトークのプロフィールに更新されているということは、韓国の日常でごく普通に起こることです。

    キリスト教文化との接続

    韓国の人口の4分の1以上がキリスト教信者であることも、家族写真文化と無関係ではありません。韓国のキリスト教会では毎年5月(家庭の月・어버이날の月)に家族写真撮影の機会を提供する教会が多く、信者の家族が集まって集合写真を撮る文化が根付いています。これは宗教的な共同体が写真撮影の機会を定期的に提供するという、日本にはない独自の構造です。

    韓国の「人生節目ごとの写真」体系の中でのリマインドウェディング

    リマインドウェディングは、韓国の写真文化が形成する「人生節目ごとの本格撮影」という体系の中に位置づけると、その意味がさらに明確になります。

    韓国では以下の節目ごとに本格的なプロ撮影が行われます。

    節目
    撮影の内容
    生後100日(ペギル)
    スタジオで衣装を着せた赤ちゃんの記念撮影
    1歳(トルジャンチ)
    결婚式規模の盛大な1歳のお祝い、記念撮影
    卒業・入学
    スタジオでの記念写真が定番
    결혼(結婚前撮り)
    ウェディングフォト(혼사)として大規模な前撮り
    リマインドウェディング
    結婚後の節目に改めてウェディング衣装で再撮影
    還暦(회갑)
    家族全員での記念撮影・リマインドウェディング
    古希・喜寿以降
    長寿のお祝いとして家族集合写真

    生まれた瞬間から長寿のお祝いまで、人生の各ステージで「プロが撮影した本格的な写真」を残すことが当たり前とされる文化の中で、リマインドウェディングは「結婚後の夫婦・家族の歩み」を更新し続けるための節目の記録として機能しています。

    日本と韓国の家族写真文化の比較

    比較項目
    日本
    韓国
    写真のサイズ・飾り方
    写真立て・小さめサイズが主流
    大きな額縁でリビングに飾るのが一般的
    家族写真の中心
    子ども中心の配置
    祖父母が中心に座る配置が一般的
    撮影の頻度
    七五三・成人式など限られた機会
    様々な節目に気軽にスタジオ撮影
    写真館の敷居
    やや高額・特別感がある
    安価で日常的に利用できる
    結婚後の撮影
    再撮影の習慣は薄い
    リマインドウェディングとして定着
    SNSのプロフィール写真
    ソロ・風景写真が多い
    家族写真を設定するケースが多い
    定期的な撮影機会
    年賀状用の家族写真(一部)
    教会の5月行事・節目のたびに撮影

    まとめ

    韓国のリマインドウェディングは、単に「もう一度ウェディングドレスを着て撮影する」というイベントではありません。生後100日から還暦・長寿の祝いまで人生のあらゆる節目を本格的な写真で記録する文化、祖父母を中心に家族の縦のつながりを可視化する写真の構図、大きな額縁でリビングに飾ることで家族の歩みを「見せるもの」として扱う習慣——これらすべての延長線上にリマインドウェディングは存在します。

    写真を「その瞬間の記録」としてだけでなく、「家族の歩みを更新し続けるもの」として捉える韓国の写真観が、リマインドウェディングという文化を生み出しています。