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    韓国の赤ちゃんの節目行事|100日(ペギル)と1歳(トルジャンチ)の撮影文化を解説

    作成日時
    Apr 6, 2026 7:00 AM
    タグ
    ファミリー韓国🇰🇷
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    韓国では赤ちゃんの生後100日を「ペギルチャンチ(백일잔치)」、満1歳の誕生日を「トルジャンチ(돌잔치)」として盛大にお祝いします。ペギルはスタジオでの記念写真が定番で、トルジャンチは結婚式に匹敵する規模の宴席に専属カメラマンと成長ムービーが組み合わさった一大イベントです。どちらも「記録として写真に残すこと」が行事の中心的な要素となっており、韓国の写真文化を語る上で欠かせない二つの節目です。

    なぜ韓国では生後100日と1歳が特別なのか

    この二つの節目を重視する背景には、歴史的な乳幼児死亡率の高さがあります。医療が未発達だった時代、韓国では生まれたばかりの赤ちゃんが100日を迎えられないことが珍しくありませんでした。100日間を無事に生き延びることは、一つの峠を越えた証として家族全員で喜び、祝う対象でした。

    同様に、満1歳を迎えることも「この命が確かに根付いた」という確信をもたらす節目として大切に扱われてきました。こうした歴史的経緯が現代に受け継がれ、医療が十分に発達した今も、ペギルとトルジャンチは子どもの成長を祝う最も重要な行事として位置づけられています。

    これは韓国社会全体に根付く「100(ペギル)」という数字への意識とも一致します。カップルの100日記念日、百貨店のオープン100日祝い、軍入隊後の節目——韓国では100という数字が「成熟・完成・節目」の象徴として生活の随所に現れています。

    生後100日のお祝い「ペギルチャンチ」と記念撮影

    ペギルチャンチとは

    백일잔치(ペギルチャンチ)とは、赤ちゃんが生まれて100日目に行う記念行事です。日本の「お食い初め」に近い位置づけですが、写真撮影への注力という点で異なります。

    現代の一般的な形式は、家族だけで簡単に食事をしながらお祝いするか、スタジオで記念写真を撮るか、あるいはその両方です。かつてのように近隣に餅を配り大勢を招く伝統形式は減り、コンパクトに祝うカップルが増えていますが、写真撮影だけはほぼ全員が行うと言っても過言ではありません。

    ペギル撮影の特徴

    ペギル撮影では白を基調にした衣装が定番です。これはペクソルギ(백설기)という白いうるち米の餅が祝いのシンボルであることと呼応しています。ペクソルギやお膳を並べた食卓を前に赤ちゃんを座らせて撮影するスタイルも広く見られます。

    インスタグラムで「#100일촬영(100日撮影)」と検索すると、豪華な小道具や精巧なセットを用いたペギル写真が無数にヒットします。生後3ヶ月という、首が据わり始め表情も豊かになる時期の赤ちゃんの写真は需要が高く、韓国のベビースタジオはこの市場に特化した充実したプランを揃えています。

    満1歳のお祝い「トルジャンチ」と撮影文化

    トルジャンチとは

    돌잔치(トルジャンチ)は満1歳の誕生日を祝う宴です。「돌(トル)」は満1歳の誕生日を意味し、「잔치(チャンチ)」はお祝いの席・宴会を意味します。

    韓国では「結婚式と同じくらい重要な行事」と表現されることがあるほど、トルジャンチの規模は大きく取り扱われます。家族・親戚・職場の同僚・友人を含む100〜200人規模で招待し、ホテルや結婚式場などの専用会場を貸し切って行うのが一般的です。司会者(MC)を雇って進行し、成長ムービーを上映し、ケーキカットを行い、主役の赤ちゃんは伝統衣装に着替えます。招待客はドレスやスーツで参加する、まさに「第二の結婚式」とも言える場です。

    ただし最近は小規模化の傾向も見られ、家族や近しい親戚のみで行うカジュアルなトルジャンチも増えています。

    トルジャンチの衣装とその意味

    トルジャンチで赤ちゃんが着る伝統衣装を「トルボッ(돌복)」と呼びます。トルは1歳、ポッは服(福とも同じ発音)を意味します。

    男の子はパジチョゴリ(바지저고리)を着用し、ベスト・帽子・帯を加えた正装で臨みます。女の子はチマチョゴリ(치마저고리)と唐衣(タンウィ)という礼服に、チョバウィという装飾付きの帽子を被ります。両親や祖父母も韓服(한복)を着用することが多く、家族全員のカラーコーディネートを揃えての記念撮影は現在のトルジャンチで特に人気のシーンです。

    トルジャビ(돌잡이):運命を占う儀式

    トルジャンチのハイライトが「トルジャビ(돌잡이)」です。テーブルの上に様々なアイテムを並べ、赤ちゃんが最初に手を伸ばして掴んだものによってその子の将来を占います。

    アイテム
    意味
    鉛筆・本
    学者・勉強家
    お金・お金の束
    富・財運
    聴診器
    医師
    弁護士バッジ
    法律家
    マイク
    芸能人・アナウンサー
    矢(활살/ファルサル)
    武人・スポーツ選手
    糸
    長寿

    トルジャビはトルジャンチの中で最も盛り上がる瞬間であり、カメラマンにとっても撮り逃せない瞬間です。赤ちゃんがどのアイテムに手を伸ばすかを家族全員が息をのんで見守り、歓声と笑いが生まれる場面は撮影的にも重要な場面の一つです。

    トルバンジ(돌반지):金の指輪プレゼント

    トルジャンチの贈り物として定番なのが「トルバンジ(돌반지)」と呼ばれる小さな金の指輪です。祖父母や親戚から赤ちゃんへ贈られる伝統的な贈り物で、「将来お金に困ったときに換金できるように」という実用的な意味も込められています。価格は現在の相場で数万円から数十万円相当のものまでさまざまです。

    ペギルとトルジャンチの撮影:写真・映像の位置づけ

    韓国では、ペギルとトルジャンチのどちらにおいても写真・映像の撮影が行事の重要な構成要素として組み込まれています。

    節目
    撮影の内容と特徴
    ペギル
    スタジオでの本格撮影が定番。白基調の衣装・小道具を使った記念写真
    トルジャンチ
    式の前にスタジオ撮影。当日は専属カメラマンが動き全体を記録。成長ムービーを上映

    トルジャンチの撮影は複数に分かれています。式が始まる前のスタジオでの正式な記念写真、式当日に会場全体を記録するスナップ写真・ムービー撮影、そして式後のアルバム制作まで、撮影に関わる業者も複数登場します。専属カメラマン・成長ムービー制作・アルバム制作はそれぞれ別の業者が担当することも多く、大規模な「撮影産業」が生後1年間の節目を支えています。

    日本の節目行事との比較

    観点
    韓国
    日本
    生後最初の大きな節目
    生後100日(ペギルチャンチ)
    生後1ヶ月(お宮参り)
    100日の行事
    ペギルチャンチ+スタジオ撮影
    お食い初め(食事中心)
    1歳の行事
    トルジャンチ(結婚式規模)
    誕生日パーティー(家族内)
    撮影の規模
    スタジオ撮影が標準・当日専属カメラマン
    任意・自前撮影が多い
    伝統衣装
    トルボッ(全員が韓服)
    和装は任意
    招待規模
    100〜200人規模も一般的
    家族・近親者のみが多い
    金の指輪
    トルバンジ(慣習として定番)
    なし

    最近のトレンド:小規模化とSNS映えの両立

    近年の韓国では、大規模トルジャンチの準備の大変さや費用負担を背景に、少人数でのこじんまりとした形式に切り替えるファミリーも増えています。一方でSNSの普及により「写真・映像のクオリティへのこだわり」は低下するどころか上昇しており、規模は小さくしながらも撮影内容は充実させるというスタイルが定着しつつあります。

    インスタグラムやカカオトークで子どもの成長を共有する文化が根付いており、ペギルもトルジャンチも「SNSで見せられる写真を残す」という意識が以前より高まっています。ベビー専門スタジオの増加やトルジャンチ専門の撮影パッケージの充実もこうした需要の変化に対応したものです。

    まとめ

    韓国のペギルとトルジャンチは、単なる家族のお祝いを超えて、子どもの命と成長を社会全体で記録・共有するという文化的な意味を持ちます。どちらの節目においても写真と映像は行事の核心に位置づけられており、「今この瞬間を最高の形で残す」という意識が韓国のファミリーフォト文化を日本と大きく異なるものにしています。