細かい撮影指示書を作ること自体がカメラマンに「嫌われる」わけではありません。しかし、分量が多すぎたり、アングルやポーズを1から10まで指定するような細かすぎる指示書は、タイムスケジュールを圧迫し、その場ならではの自然な表情やプロならではの構図を引き出す妨げになるリスクがあります。絶対に撮りたい「マストなカット」と「できれば撮りたいカット」を分け、全体でA4用紙1枚から2枚程度にまとめるのが、理想の写真を残す秘訣です。
以下で、細かすぎる指示書がもたらす影響や、カメラマンに意図が伝わりやすい上手な作り方について詳しく解説します。
細かすぎる撮影指示書が引き起こすデメリット
熱心に準備をするあまり、数十ページにも及ぶ指示書を作成してしまうケースがありますが、これにはいくつかの注意点が存在します。
- 時間切れで本当に撮りたかったものが撮れないリスク
- チェック作業に追われ、自然な表情が消える
- プロの提案や偶然のベストショットが生まれにくい
撮影には限られた時間(多くは1時間から2時間程度)が設定されています。細かすぎる指示をすべてこなそうとすると、ポーズの再現や確認作業に時間が奪われ、結果的に時間切れになり、終盤に予定していた大切なカットが撮れなくなってしまう可能性があります。
指示書の再現に縛られると、カメラマンも被写体も「指示通りにできているか」の確認に気を取られてしまいます。その結果、心から楽しんでいる笑顔や、ふとした瞬間の自然な表情を取り逃がしてしまいがちです。
ロケーションの光の入り方や、その日の風向き、季節の風景に合わせて最適な構図を見つけるのがプロのカメラマンの強みです。指示書に縛られすぎると、カメラマンがクリエイティビティを発揮する余白がなくなり、予想以上の素敵な写真が生まれるチャンスを減らしてしまいます。
ちょうどいい指示書と細かすぎる指示書の比較
項目 | ちょうどいい指示書 | 細かすぎる指示書 |
分量の目安 | A4用紙1枚から2枚程度 | A4用紙5枚以上、または数十ページ |
指示の内容 | 絶対に撮りたいポーズを3から5カット厳選 | 全カットのポーズ、目線、手の角度まで細かく指定 |
雰囲気の伝え方 | 理想とする写真のイメージ画像を数枚添付 | 「〇〇風の光で、背景は〇〇で」と文字で長々と説明 |
優先順位 | マストとウォントが明確に分かれている | すべてがマスト扱いで優先順位がわからない |
カメラマンに喜ばれる!上手な撮影指示書の作り方
カメラマンと良好なコミュニケーションを取りながら、大満足の写真を残すためのポイントを3つご紹介します。
- 優先順位をつける
- 視覚的に伝える
- NGなカットを伝える
絶対に撮りたい「マスト」なカットを3から5つ程度に絞り、残りは時間が余ったらお願いしたい「ウォント」として記載しましょう。
言葉で説明するよりも、SNSなどで見つけた理想の写真を数枚貼り付ける方が、希望する「雰囲気」や「色味」がカメラマンに正確に伝わります。
「顔の右側から撮られるのは苦手」「ジャンプするような元気すぎるポーズはしたくない」など、やりたくないことを事前に伝えておくと、お互いにストレスなく撮影を進められます。
撮影シーン別の指示書のコツ
撮影するテーマによっても、指示書の作り方のポイントは異なります。
- ウェディング
- ファミリーフォト
- カップル撮影
結婚式の前撮りやフォトウェディングでは、思い入れのある小物(結婚指輪や手作りのブーケなど)を使ったカットを忘れずに記載しましょう。ただし、ドレスの裾を直したり和装の形を整えたりする時間も考慮し、ポーズ数は詰め込みすぎないのが鉄則です。
お子様の機嫌や体調によって進行が大きく左右されるのが特徴です。完璧なポーズを求めるよりも、「家族全員で手を繋いで歩く後ろ姿」など、遊びの延長や動きの中で自然に撮れるシチュエーションをリクエストするのがおすすめです。
日常の延長のようなカジュアルな撮影の場合は、指示書を作り込まずに「いつものふたりらしい雰囲気で」とざっくり伝えるだけでも問題ありません。カメラマンが会話を通して、ふたりならではの自然な笑顔を引き出してくれます。
まとめ
撮影指示書は、ふたりの希望をカメラマンに伝えるための大切なコミュニケーションツールです。細かすぎる指示で撮影を「作業」にしてしまうのではなく、絶対に譲れないポイントだけを絞って伝えることが成功への近道です。
ある程度の余白を残した指示書を作ることで、プロのカメラマンがふたりの魅力を最大限に引き出し、期待以上の素敵な一枚を残してくれるはずです。